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Hara Documents 10: Masaharu Sato - Tokyo Trace

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シネマグラフのひとつとして、この東京尾行はバリエーションがたくさんあって楽しい。 http://masaharu-sato.tumblr.com/post/103882549095/calling-コーリング-animation-video-installation 佐藤雅晴メールインタビュー2 「ハラドキュメンツ10 佐藤雅晴―東京尾行」[原美術館] T: 「なぞる」という行為で作られたもの、極端に言えば事物・事象の“再現”であるものが“作品”として成立することが面白いですね。私にとっては何となく、佐藤さんのトレースが模写に似ているように思えました。画家が名画を模写することでその作品や作家を理解するように、佐藤さんは世界をトレースによって理解しようとしていると。また、知人はトレースという行為を写経のようだと言っていて、それも確かに、という気がしました。佐藤さん自身はトレースについて、「対象を自分の中に取り込む行為である」という実感の下に何年も続けてこられたわけですが、そうしたトレースから最新作のアイデア、「尾行」にはどうやって辿り着いたのですか? モチーフの後をつける尾行のような、あるいは日常的な「行為」としてのトレース S: 撮影した対象をトレースして映像にするという手法自体は、現在の商業アニメーション界ではあまり見られなくなった手法ですが、ディズニーアニメ以前に考案されたとても古典的なロトスコープと呼ばれる表現です。ディズニー映画の初期作品「白雪姫」では、登場するキャラクター達にリアリティーをもたせるために実際に役者に演技をさせ、その映像をもとに動きをトレースしてキャラクターを重ねて描いています。(この手法は、現代のCG映画で活用されているモーションキャプチャの初期バージョンのようなものですね) ロトスコープはぎこちなく動くキャラクターを自然にあたかも生きているかのように描くために開発されましたが、滑らかに動くキャラクターのどこか奇妙な動きに制作者側の思惑とはちがった観客の反響が当時からあったそうです。 ロトスコープという手法が昔からあった事は数年前に知りましたが、実写をトレースして再び映像にするという作品をつくっていくなかでなぜか飽きずに魅力を感じてこられたのは、この「奇妙な動き」のせいなのかもしれません。

Daniel Arsham "My First Show in Japan, Year 2044"

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